なんて言うの?
金庫の数え方の単位



「金庫の個数を数えるとき、どんな単位を使えば良いの?」
と困った経験がある人もいるのではないでしょうか。口に出す時には「一つ」、「一個」などと言ってはいても、いざ請求書や領収書、確定申告書といった書類に書かなければならない時には正しい数え方を知っておく必要があるはずです。
今回は、金庫の数え方の単位について解説します。


台、個、基……そして据

結論から述べると、金庫の数え方に特別な単位はありません。
強いて挙げれば、一台、一個、一基、一据(いちすえ)と数えられることが多いようですが、必ずしもこれらだけが正しいというわけではなく、特に厳格な決まりはないのです。

「台」はパソコンや机、自動車などさまざまなものを数える際に使用されます。「個」はさらに頻繁に使用され、どのようなものに当てはめても間違いではないと言える汎用性の高い表現です。「基」は主に機械や器具、固定した施設などを数えるときに使われます。金庫に対しては、これらの数え方のどれを使っても間違いではなく、また「据」というあまり聞き慣れない数え方が使用されることもあります。


「据(すえ)」とは?

「据」は、意外な繋がりかもしれませんが、もともと便器や便座に使われている数え方です。便器が一据、二据……と使用します。しかし、金庫の設置を「据え付け」と表現することから、金庫においてもこの数え方をするようになりました。

便器も金庫もどちらも基本的に設置した場所から動かすものではありません。特に「据」を使うのは、防盗金庫のように重量があり、そう簡単に動かさない金庫を数える時が多いようです。防犯性を考慮すると金庫は床に固定することが望ましいわけで、便器と同様に金庫も移動させない物という認識があるのかもしれません。
ただし、金庫を販売している業者などでも「据」と数えているところはどちらかと言えば少数派です。一般的にはやはり「個」や「台」を採用している業者が多数です。


数え方は体を表す!?

「据」という数え方は防盗金庫に対して使用されることが多いと説明しました。厳密には手提金庫など携帯用の金庫に使ったとしても問題はありませんが、小さくて軽い金庫を一据、二据と数えるのはやや違和感があります。また、銀行にある大型の金庫などは一基、二基と数えることが多くなります。

物を数えるときの単位は、それぞれの物が有している性質や形を表していることがよくあります。普段は気にも留めないようなことですが、「据」や「基」という数え方には金庫の持つ堅牢さや重厚さが表れているとみることもできそうです。
今後、もしも書類や文書に金庫の個数を書く機会があったら、これらの数え方の表現を使用してみるのも悪くないのではないでしょうか。