あなたの金庫を守る!
盗難防止のための3つのポイント



金庫を盗難から守るために、ユーザーはどんなことをすればいいのでしょうか。今回は、家庭用の金庫を想定し、盗難防止に役立つポイントを3つにまとめてご紹介します。


ポイント1 床またはベースボードに固定する

金庫の防盗を考えるうえでまず頭に浮かぶのは金庫ごと盗まれてしまう“持ち去り”ではないでしょうか。家庭用金庫の場合、小型の製品なら質量は20kg程度です。これではすぐに運び出されてしまうと思うのなら、大型の100kgクラスの金庫を選ぶという方法もあります。ただ、重い金庫の設置には重量に十分に耐えられる床の補強も必須となります。

もっと強固に対策を講じるなら、金庫を床面に固定してしまうのも選択肢に入るでしょう。底面に穴が開けられるタイプの金庫で、コンクリートのフロアとをアンカーでつなぐといったものです。もともと床がコンクリートで作られている地下室などではとくに有効でしょう。ほかには壁に金庫を埋め込む壁金庫や、床に埋めて周囲をコンクリートで固めるタイプの製品も一定の人気があります。隠し金庫にすることもできるのでこれはなかなか優秀です。

簡易的なものとしては、鉄板(ベースボード)を金具か溶接で金庫の底に取り付けてしまう方法があります。これだけでも横倒しすることをある程度防止でき、鉄板の大きさを部屋のドアより大きくすれば、外に持ち出すのを困難にすることができます。

また、最近の金庫にはオプション部品として、床と耐火金庫を固定するための簡易固定金具が用意されていることがあります。これは本来、地震の際の転倒防止用なのですが、床に固定しておくだけでも多少不安はやわらぐのではないでしょうか。


ポイント2 こじ開けや破壊に対抗する

泥棒はまず、金庫自体を盗み出せないかと思案します。それができない場合には、バールやサンダー(電動式ののこぎりのようなもの)を使って金庫を無理やりこじ開けようとします。これに対抗するのが防盗金庫であり、対破壊性能に優れています。破壊するのは非常に大変で、時間がかかります。

しかし防盗金庫ではなく耐火金庫の場合は、対破壊性能はさほど高くありません。ではどうすればいいのか。個人でできることは限られているとはいえ、考え方としては、ロックを二重三重に施すようにすることです。

と言っても金庫に新たな扉を取り付けることはできないので、金庫が設置されている場所にたどり着くまでに何度かロックされたドアを開けなければならないようにします。単純な話、金庫がある部屋に鍵がかけられるかどうかは大きな差となります。
また、もしも重要な収納物が小さなものなら、金庫の中に小さな金庫を入れてロックする方法もあります。その金庫自体を棚に強力接着剤でくっつけてしまうのも良いでしょう。要は、いかにこじ開けや破壊に手間と時間をかけさせるかがポイントです。


ポイント3 建物や部屋のセキュリティーを強化する

金庫のある部屋を施錠する以外にも、建物や部屋のセキュリティーをアップする方法はいろいろとあります。

考え方の基本は、泥棒が入ってきにくいような環境を作り出すことです。表の通りなどから見づらい建物の死角があればセンサーライトを取り付けたり、玄関付近など少し目につくところに防犯カメラを設置するのも有効です。警備中といった文字が書かれたプレートも抑止力があります。 そして玄関に2重ロックを設ければ、それだけで「侵入しづらい家」という印象を与えることができます。もちろん、これらに加えてホームセキュリティーサービスに加入すればかなり安心感も増すでしょう。

また、別の考え方として、金庫をうまく隠すというものがあります。とくに一目では金庫とわかりにくいようにカモフラージュを施すのは良い方法です。カバーリングキャビネットなどと呼ばれる、金庫をすっぽりと覆い隠してデスクの袖机やベッドのサイドボード、電話台のように見せる家具も売っています。
金庫としての使い勝手を損なうことなく周囲を覆い隠せばいいのですから、自分で何かアイデアを考えることもできそうです。これらは費用をあまりかけずにできる防犯対策と言えます。


複数の対策を組み合わせるのが効果的

こうしたポイントを複数組み合わせれば、盗難防止策はさらに強固なものになります。それぞれの家の事情や条件も加味しながら、「わが家の防犯プラン」について考えてみてください。