どのサイズを選ぶ?
金庫のサイズとセキュリティー



金庫にはさまざまな大きさ=サイズが用意されています。A4ファイルの書類がちょうど入る大きさのものもあれば、人が何人か入れるような金庫も存在します。
大切なのは、用途に合わせた金庫のサイズを選ぶこと。今回は金庫のサイズについての解説です。


収納物でサイズを選ぶ

金庫内に収納するものによってサイズを決めるのは、当然ながら金庫のサイズを選ぶ際に最も大事なことです。
たとえば銀行のキャッシュカード、銀行印、有価証券など小さなサイズのものだけを収納するのであれば、大きな金庫など必要ありません。幅400mm、奥行き300mm、高さ200mmほどのコンパクトなタイプの金庫もあり、こうした製品は家庭用として重宝されています。小さくても耐火性能は申し分ありません。価格も安く抑えられます。

一方、業務用の金庫であれば、ファイリングした多くの重要書類を収納する必要があるかもしれません。年々増えていく性質の書類なら、サイズに余裕を持たせておく必要もあるでしょう。
書類のことを考える時はその多くがA4サイズ(210mm×297mm)なのかA3サイズ(297mm×420mm)なのかといったことを基準に考えます。また、一般的に金庫のサイズが大きくなればその分、価格は高くなります。

もうひとつ、金庫には外寸と内寸があり、その差が10cm以上異なることもあります。収納物からサイズを考えるなら、内寸=実際の収納スペースに注目する必要があります。
収納物によって決めた金庫のサイズは、「意外に大きい!」と感じることが多いでしょう。その点も注意してください。


セキュリティーを考えてサイズを選ぶ

セキュリティーの観点からサイズを選ぶのはどうでしょうか。単純に言えば、大きく重い金庫であれば持ち去りが難しくなり、安全性が増すはずです。 しかし、小さい金庫にもセキュリティー上のメリットがあります。それぞれの特長は以下のとおりです。

【金庫のサイズが大きい場合】
・金庫の重量が増えるので持ち去りのリスクが減る。
・錠前や扉は高度な作りのものが選べることが多く、また防盗金庫を選べば堅牢性も高い。
・サイズが大きく設置場所が限定されるため、見つかりやすい場所にしか金庫が設置できない可能性がある。

【金庫のサイズが小さい場合】
・軽量であるため持ち去りによる盗難のリスクが増える。
・防盗金庫もあるが、錠前や扉のタイプはやや限定的になる。
・コンパクトなためさまざまな場所に金庫を移動できることを利用すれば、狙いをつけられにくい。
・見つかりにくい場所に金庫を隠せる。
・常に目の届くところに置いておくことも不可能ではない。

金庫のサイズを大きくすれば防犯性が高まるとは単純に言えません。それぞれのメリットとデメリットを考えたうえでサイズを考えてみてください。


設置場所でサイズを選ぶ

大きなサイズの金庫を置きたくても場所がない、というケースもあるでしょう。大きければ重いことが多く、床の補強も欠かせません。ドアから入らない場合は搬入作業も大変です。また、クローゼットの中などに設置する場合には、金庫の扉がきちんと開ききることを確認する必要があります。半開きにしか扉を開けない金庫はとても使いづらいものです。

このように、設置場所のことを考えると、ほどよい大きさの中型の金庫が視野に入ってきます。金庫に収納したいものがたくさんあるのに、大型金庫を選べない場合はどうすればいいのでしょう。そんな時は自宅の金庫に入れるものを厳選し、貸し金庫などと併用することも考えてみてください。


最適なサイズ選択は諸条件を考えたうえで

金庫のサイズはこれらの条件を考え合わせたうえで選ぶことになります。予算もあるでしょうから、ちょうど良い着地点を見つけなければなりません。金庫を選ぶということは意外に大変な作業ですが、選択肢は多く用意されています。まずは「何を収納するのか」から考えてみましょう。